■実際に試食会を開いて判明したこと
前回の記事でお伝えしたが(→クリック)、試食しながら様々な意見を頂く事により、私達が普段考えていなかった多くの気付きがあった。スモーク・エースの製品を初めて食す方の率直な意見があり、加工品に関する誤解という点に関してもとても勉強になった。今回はその時に気付いた加工食材の事について書いておきたいと思う。
■1.加工した状態が最高の美味しさになっている事が伝わっていない
先日の試食会(←クリック)の前菜として用意させて頂いた、新製品しっとり鶏レバー。冬季限定で試作販売中なのだがすこぶる評判が良い。さらに工場見学及び視察会の時に出来たてのスモーク製品やパエリアなどを召し上がって頂きながら、商品の背景などを説明して頂いた時に「真空パックの状態ではこの味は想像できない」というご意見を頂いて、造り手と消費者の皆様の視点がこれほど違うものなのかという事を強く感じた。
■2.加工品はブランド原料を使うと高くなるという当然の事実
○○さんの野菜、○○さんの豚肉・・・など6次産業がこれからの事業モデルかのような風潮を感じる。例えば、みやざき地頭鶏(じとっこ)(→クリック)は宮崎県が認定する名古屋コーチン等と並ぶブランド地鶏だ。原料も通常の鶏炭火焼に比べて倍以上の値段がかかってしまう。生産者さんから直接供給頂いているのに・・・だ。しかし冷静に考えてみて欲しい。原料におけるブランドとは何か?非生産的な延び延びとした農場に限られた数羽しか飼育できないという「希少性」が値段に反映しているのだ。しかし、当然のことなのではないか?手間暇もかかる、広大な場所も用意しなければいけない。しかし、そのような希少なブランド品は生産者も生産量も全体の生産量からすれば限られている。結果的に末端価格が高くなってしまう為に、一般の方の普段遣いには高価すぎるという結果になってしまう。なので、安くて良いものはない。かと言ってブランド品だけが良いという事でもない。という当たり前の事だ。
■3.加工品に最高の原料を使用している姿勢は伝えなければ差別化しにくい
例えば、私達のハムソーセージに関して。宮崎産の新鮮な豚バラブロックを素早く処理し、熟成とスモークしたものが業務用ナンバーワン人気のスモークソフトベーコン(→クリック)だ。そのベーコンの原料をソーセージに贅沢に使用している。鶏せせりガーリックフランク(→クリック)に関しては、鶏せせり香草焼に使用するせせり肉をそのまま使用している。しかし、そのような一流の原料を使用している事はこのように伝えて初めて理解される場合が多い。見た目の差別化はパッケージくらいになってしまう。試食会を通じて「伝える」という事がいかに難しく、大切かということを感じた。せっかく一生懸命製造しているのに、いい方は良くないが粗悪品と見た目には同列な為に、お客様が加工品<ブランド原料という考え方に行きつく事も納得できる。
■まとめ|他にない最高の加工品を造り続けると同時に伝える努力も必要
忙しい毎日の中で、良質な加工品を食生活に取り入れて行く事は必要だと思う。ブランド品も月に一度くらいは取り入れたいものだ。しかし余りにも添加物が多く、安価に提供されてる食品が多い事も事実だ。創業1983年、宮崎地鶏と燻製専門店スモーク・エースの存在を知って頂き、お客様の中でブランドになり、良質な加工品を提供し続ける。他がどうこうは関係ない。そのようなファンの方々に応援して頂くにはどうすればいいか?お話しをさせて頂きながら、私達の製品を食して頂くと反応が全く違う。どう違うか?何がスモーク・エースが違うか?を伝えて行くのは私の責任ということを肌で体感させて頂いた気がする。