■何度も打診された常温タイプの鶏炭焼き
宮崎空港店に直営店を出させて頂いているという事もあり、色々な方々に「常温タイプの鶏炭火焼を作ってくれないか?」打診された事が多々あった。理由は持ち運びしやすい=消費者の皆さんが求めている。という説明だった。しかし、常温で何日も保存できる=レトルト及び缶詰めのレベル。自分達の専門以外の事をすることになるのではないか?そう思いながらも、2007年、一度だけ専門家の協力を得ながら常温の実験をしたことがある。
■実際に実験してみるも、素材が可哀そう
大きな事実を知る事になった。1.賞味期限を延ばす=過度な水分除去を行う。2.菌が長期間繁殖しないように高温殺菌する。ここまでは許容範囲だが、賞味期限を延ばす補助パウダー(添加物)を加える。そうしなければ、常温の鶏炭火焼は完成しないのだという事が実験から分かった。何とも言えない舌がピリピリする添加物。存在すら知らなかった。これは、恐ろしいことだ。ハムソーセージは食の安全を守るため、食品衛生法に基付いた最低限の添加物を使用しなければならない。しかし鶏炭火焼、地鶏炭火焼レア、鶏せせり香草焼に関しては防腐剤や着色料など(もちろん)一切使用していない。美味しさが最重要なので無添加は売りにしていないが、無添加で間違いはない。なのに、今更聞いたことのないような添加物を使用するのか?
■常温にするには美味しさを断念せざるを得ない。その意味は?基本概念に反する。
高温殺菌するという事はせっかくの地鶏の食感を破壊してしまうということ。過度な水分除去は噛めば噛むほど肉汁が出てくるジューシーさを一切失う事。そのジューシーさを補うために濃い味のソースなどで別物としての鶏炭火焼を製造しなければいけないこと。ここまでして、常温の鶏炭火焼の為にポリシーを曲げなければいけないのか?今まで美味しいと言ってきてくれたお客様達への裏切り行為そのものではないか?まぁ、一切のブレもなく商品開発中止になった。しかし高温調理法やレトルト製品を否定しているのではない。煮込み料理やスープなどの液体などには向いていると思う。しかし食肉加工品を美味しく常温保存で流通させる事は無理だ。それならば改めて自分達の製品を知って頂くためにもっともっとメーカーからの情報発信が必要になってくるという事を痛感した。なのでこの記事も書かせてもらっている。
■変わらない原点。スモーク・エースはこの指針を守り製造していく
この考え方をスタッフ全員が理解しているので、常温鶏炭火焼を作る事は無いが、売る事だけを考えたら常温の方が売りやすいのは事実。しかしその事を最優先にしてしまったら、私達が何のために日々製造しているのか意味が分からなくなる。自分達が美味しい!という感動をお客様に伝えたいという基本理念に目をつぶるという事になる。専門外の事はしない、器以上の事はしないといというのも私達の精神である。
■インターネット及び通販しかもクール宅急便でお届けできる事は安心
業務用冷蔵庫からクロネコヤマトさんの保冷車に渡し、ご家庭の玄関口までお届けするというクール宅急便は本当に有り難い存在だ。毎日なんとなしにお世話になっている気がするが、私達にとっては究極の流通方法だと日々感謝している。最高の状態でお客様にお届けする。納得して下さったレストランのオーナーの方々も素材として安心にお取り寄せして頂けるようにもなった。ホームページで私達の考え方や安心できる人間か?会社か?を判断された上でお取引が始まっているのでいいお客様ばかりだ。もっとたくさんの方に知って頂けるように、これからもスモーク・エーススタイルで頑張っていきたいと思う。
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