■いつも緊急製造、根強いファンが支持するパエリア
パエリアも造ってるんですね。必ずそう言われる。鶏屋さんと思っていたら、実は燻製工房だった、そしてパエリアをなぜ造っている?当然の思考導線かもしれない。もともと、スペインの思い出がスモーク・エースの原点であり、創業者である穴井堯義が若き日を過ごしたスペインの青春の味を再現したものだ。私も含めスペインに魅せられるDNAは強く、宮崎の豊富な魚介類と野菜、美味しいお米など素材も豊富に揃う贅沢な環境も似ているかもしれない。スペインまで何度も足を運んで妥協を許さない、究極のパエリアと言っていい。
■贅沢パエリア、貧乏パエリア
スモーク・エースのパエリアをスペイン人アーティスト集団にふるまう機会があり、彼らは大声で「こんな美味しいパエリアを食べた事がない」そう絶賛していた。スペイン人の主食と思われがちなパエリアだが、誰しも高価なサフランを魚介類を使用できる訳ではない。場所にもよるかもしれないが、スペインで美味しい!と思ったパエリアを食べた事はまだない。誰が呼んだか、通称「貧乏パエリア」という簡易パエリアがあるそうだ。パエリアに見立てたバターライスの上に目玉焼きとバナナを乗せ、ケチャップで味を調えた庶民の味だ。代用品として頂くとなんとも美味しく、苦学生などの下宿の料理として登場するそうだ。それに反して、スモーク・エースのパエリアは贅沢パエリアの極みと言えるだろう。オリジナル製法の秘密がふんだんに盛り込まれているからだ。
■サフラン農家さんとの出会い、それはそれは高価
サフランは紀元前からヨーロッパでめしべが香料・染料として利用されていた。古代ギリシアではサフランの黄色が珍重され、王族だけが使うことを許されるというロイヤルカラーとされた時代もあるったそうだ。日本へは江戸時代に薬として伝わり、今でも限られた生産者さんのみが栽培している。超がつく高級品である。私達は偶然そのサフランを国内で栽培している農家さんと出会う事ができた。俗にサフランスパイスと呼ばれるものがあり、結構な料理店でもこのスパイスを使用している。なぜなら高価すぎるからだ。私達は究極のパエリアを求める為に、贅沢に高価なサフランをスモーク・エースのパエリアに惜しみなく使用している。言うまでもないが、比べものにならない美味しさと美しさを兼ね備えており、一目で本物のサフランの色は区別できる。米の一粒一粒までサフランの黄色い旨みが浸透し、極上のパエリアへと変貌を遂げていく。噛めば噛むほど味わい深い、 究極の美味しさである。
■贅沢なブイヨンは燻製工房ならでは、豪華すぎる
美味しさの秘密はこれだけではない。絶対にご家庭や料理店でも真似することができない、それが魔法のブイヨンである。スモークエースのパエリアの味の決め手の一つ 『ブイヨン』の存在は無視できません。なぜなら、本来販売できるレベルの燻製品を贅沢にブイヨンのダシを取る為だけに使用しているからだ。日々のスモーク製品の加工をしている段階で、どうしても出てきてしまう キズの商品や端っこの製品にならない部分。全く劣化している訳でもないが私達はこの部分を一切販売せず パエリアブイヨンの材料として 香味野菜と一緒に一昼夜以上も コトコト煮込むんです!この燻製工房ならではの贅沢な 高級ブイヨンはパエリアの高級サフランと交わり、贅沢極まりない美味しさへと深みを増していく。
■製造数に限りがある、すぐに売り切れてしまう
パエリアパンを使い手作業で1日かけて製造する。当然製造が過密になった時期などは厨房に空きがなくなるので、製造することができない。たいてい厨房が休みの週末に製造する事が多い。今日もそうだったが、工場内にパエリアの幸せな香りが立ち込める。仕事も上の空でパエリアと赤ワインで早く夜が来ないか待ち遠しくなる。ほとんどスペイン人状態になる。製造者の特権で必ず出来立てのパエリアを購入し、その日は豊かな夜を過ごす。日本にいながらスペインにタイムスリップしたかのような美味しい幸せ。これは私達が目指す、美味しい食は人の人生を豊かにする。そのものではないだろうか。