■厳しい基準で飼育されたブランド地鶏
みやざき地頭鶏(じとっこ)は宮崎県が力を入れているブランド鶏である。名古屋コーチンなどと並ぶブランド鶏であり、スモーク・エースはその昔ながらの肉の弾力性と旨味に感動、生産者さんとの出会いからみやざき地頭鶏を使用した加工品の商品開発を試みた。みやざき地頭鶏の飼育が可能な最大の理由は宮崎県が気候、立地条件、適した平野に恵まれ、鶏がストレスなく育つ環境を用意できることに尽きる。飼育期間はおおむね雄4ヶ月、雌5ヶ月、飼育密度は1 ㎡ 当たり2羽以下にする等、必然的に広大な敷地が必要になる。当然1羽あたりの価格が高くなってしまう。そもそも高級品なのだ。
■大量生産は難しい。贅沢な飼育状況で育てられた高級品
2006年、宮崎県でみやざき地頭鶏を生産し全国ブランドに育てていきたいという生産者の方に出会った。その頃の時代背景はリーマンショックによる景気後退で地元の企業も危機的状態になり、みやざき地頭鶏生産にシフトする人が一気に増えた。主に建設関係の方が新天地として求めた第二の人生が「みやざき地頭鶏」のブランド化だった。まさに素人からのチャレンジだ。みやざき地頭鶏生産指定場の認証を受けたはいいが、農場を作る所からスタートしなければいけない。しかも厳しい飼育条件の下、利益を優先すれば非効率になる。サンプルでスモークしてみてくれないか?キラキラした生産者さんの笑顔。新鮮で生で食しても美味しそうな地頭鶏のもも肉とムネ肉に惚れ惚れし、試しにスモークしてみることにした。
■潜在能力の勝利。2009年、2011年宮崎県推奨優良県産品に選出
明らかに別物だなと感じたのは、みやざき地頭鶏のムネ肉をスモークしてみた2007年の事だ。これを機にムネ肉=ヘルシーという素材の潜在能力を見直しうまうまうチキンロール(→クリック)などの製品が誕生する訳だが、このみやざき地頭鶏スモークの素材の美味しさには正直驚いた。広大な敷地で贅沢に育てられてるだけに、肉質の弾力性が見事に私達の創業から変わらない古典的なスモーク製法とピッタリ相性が合い驚く。正直、半信半疑で試作したのでその時の美味しさは衝撃的だったことを今でも思い出す。みやざき地頭鶏の加工品を販売した会社はその時スモーク・エースだけだった。
■高級素材を丁寧に製造、大切な方への贈り物として。
原料にこれだけの手間がかかれば、大量生産する事は難しい。また大量生産する事でこのブランド鶏の美味しさの品質を落としてはいけない。みやざき地頭鶏は「普段使い」ではなく「ここぞという時の贈り物をお取り寄せする」という選択が正しいと私達も思っている。常連様はその辺りの感覚が見事で時と場合によって使い分けられる。お中元お歳暮などのギフト時期にブランド品を頂くと、人間ちょっと嬉しい気持ちになる。スモーク・エースも宮崎を代表するブランド鶏としての価値を高めて行きたいと思うし、大切に取り扱って行きたいと思う。当初からの生産農家さんと共に歩んで行きたいと思っている。
■まとめ|ブランド品は大量生産すべきではない
みやざき地頭鶏のように希少性が高い原料を大量に仕入れることは不可能だ。ブランド価値を高めるべきで、生産者さんが苦しむ安価で販売すべきではない。日々、予測不能な生き物を育てるという尊い仕事に向き合い、私達がそのバトンを受け取りお客様へお届けする。ブランド鶏を守ることは衛生管理だけでも本当に大変なことだ。みやざき地頭鶏というブランドを大切にスモーク・エースの命を吹き込み全国の方へお届けできればと思っている。