肉製品における加熱殺菌工程は、肉に混入、着生する微生物の大部分を死滅させて保存性を付与する面からも、衛生的見地においても、さらには肉製品特有の風味を生成し弾力性を与える点からも非常に重要である。
しかし加熱殺菌の効果は、加熱方法、加熱温度、加熱時間などの加熱条件のみによって決定されるものでなく、加熱前の汚染微生物数、種類、肉の大小、肉温、添加物との配合組成、種類、保存料等の添加の有無、さらには、水煮、蒸煮、焙焼等の過熱の種類によっても大きな差異が生じる。
加熱殺菌は衛生的見地より肉製品の中心温度が63℃、30分以上加熱されることを原則としている。
肉中に混入した微生物は肉たん白、脂肪等の諸成分の保護作用を受け、加熱致死時間が延長する傾向となるので加熱条件を、特に注意しなければならない。