肉製品をくん煙する目的は保存性を与えることであったが、今日ではその目的にかなりの変化がみられる。すなわち、技術の発達により、衛生上の問題が格段に解決されたことから、くん煙の二次的な目的であった人間の視覚、嗅覚、味覚を満足させることに主眼がおかれてきている。
くん煙の方法には、16~22℃の冷くん法、40~45℃の温くん法、60~90℃の熱くん法及び液くん法がある。
くん煙の基本的な作用は煙の成分が表面に付着することによって外観に好ましい茶褐色のくん煙色を与え、食欲そそるようなくん煙臭をつける。
ある種の成分は防腐性を持つために繁殖抑制や殺菌を行うこと、脂質の酸化を防止すること、また、表面の乾燥によって細菌繁殖が抑制されるなどの作用がある。