大型のハム類やベーコンの塩せき法として用いられている。
塩せき液(ピックル)の配合は目的によって異なるが、水を100とした時食塩15~25%、硝石0.5~1.0%、砂糖0.3~7%、香辛料0.5~1.0%である。
まず、肉塊を塩せきタンク一杯に堆積したならば、その全肉量の半量のピックル液を入れて浸せきし、上に重石をのせる。塩せき期間は肉塊の大小によるが20~60日間で、その間、数回積みかえて塩せきを均一にさせる。
塩せき日数は肉1kg当たり4~5日を基準とする。液温は2~3℃が適当である。最近のハムやベーコンではピックルインジェクターを使用して塩せき期間を短縮することが多く、また一般的傾向として10日以上塩せきすることはまれになってきた。
この湿塩せき法は乾塩せき法と比較した時、つけ込み作業が楽である、製品が均一に仕上がる、風味の良いものができるなどの利点があるが、塩せき日数が一般に長い、肉塊はある程度同じ大きさが要求され、設備、場所をとる、塩せきに失敗すると被害が大きいなどの欠点がある。