中温菌とは

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細菌が繁殖するのに適した温度(世代時間が最も短い温度条件)が20~40℃の範囲にあるような細菌を称して中温菌または中温細菌と称している。

一般の病原細菌、腐敗に関与する細菌の多くは中温菌であり、そのなかで大多数は35~37℃を至適発育温度としている。これに対して、増殖に適した温度が45℃以上であるといった細菌を高温菌または高温細菌と称している。

これに類似した語で耐熱性菌という用語があるが、これは高温菌とは異なった意味の細菌で、一定条件(温度及び時間)の加熱によって死滅しない細菌をいうのであって、食肉製品の製造過程で行う加熱(60℃で30分間)によって生き残った細菌をその条件における耐熱性細菌であるという。

一般に耐熱性細菌は芽胞をする菌である。一方、細菌の発育温度条件を基にして低温菌または低温細菌という語があるが、その意味は人によってまちまちにいわれている。

概念としては低温(5~7℃)で発育可能な細菌をいうのであるが、それらの多くは発育至適温度は20℃付近にあり、5~7℃の低温では発育するのに時間がかかるのである。従って、中温菌と称するもののなかでも低温菌に属するものもある。

なお、発育至適温度が5~7℃といった細菌の存在は否定できないが、それはごくまれなことと考えられており、このような細菌を好冷菌ということがある。

国際酪農連盟では、増殖至適温度に関係なく7℃以下で発育可能なものを低温細菌と称することを提案している。近年、乳、肉等を始めとして低温流通機構が発達した結果、食品を長時間低温に保持している間に低温細菌が増殖して種々のトラブルが発生することから注目されるようになった。

 

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